政府は安定雇用の確保とセーフティーネットを拡充せよ!

◇ 派遣法の抜本改正を!実効ある特別措置を!

99年に大改悪され「原則自由化」された労働者派遣法は、日雇い派遣という究極の不安定雇用を産み出すとともに、
働く人々を、あたかも取替え可能な部品、使い捨て自由な労働力として扱う風潮を社会に蔓延させました。
「金融危機」を口実に大企業は派遣契約の中途打ち切りや雇い止め(解雇)を次々に強行し、政府の大企業中心の
調査でも3万人もの労働者が路頭に放り出されてしまいました。実数は10倍、30万人に及ぶといわれています。
昨年の大晦日に開村された「派遣村」は、派遣切り、期間工切りなどで仕事と住まいを奪われた仲間が多数結集し、
年末年始を乗り切り、ともに生き、職と住の回復を誓い合いました。政府も「派遣法の見直し」を検討せざるを得なく
なりましたが製造業への全面禁止に財界は強く抵抗しています。 問題は何も解決していないばかりでなく大リストラの
波は派遣・非正規労働者から正社員へと拡大しています。

◇「派遣切り」を合理化するワークシェアリング論

「派遣切り」の音頭をとったキャノンを率いる日本経団連の御手洗会長は、「雇用対策としてワークシェアリングも一つの選択肢」と主張しています。これは
大企業がため込んだ230 兆円にものぼる「内部留保」には手をつけず、労働者全体に賃金の引き下げを強いるまやかしのワークシェアリング論です。
企業に雇用責任を果たさせるとともに賃上げと時間短縮、正規雇用の拡充を要求し、政府に対しては貧困と格差を拡大した元凶である現行派遣法の抜本
改正、「非正規切り」に対する実効ある法規制と特別措置、安定雇用確保、生活保護や雇用保険制度などセーフティーネットの拡充を求め09春闘を闘い
ましょう。

いのちをつなぎ 政治を動かした派遣村

年越し派遣村村民の一部が5日から12日まで石神井学園に「移転・滞在」していた。区民として何とかという呼びかけで
ボランティア活動に参加し、お汁粉の給仕と理髪の手伝いをした。
「お金がないので髪をできるだけ短くして」という人、「(金がなく行っていないので)銭湯代は知らない」という人など大変
な生活をしている一 端もうかがった。でも、坊主頭の人が「七三にしてください」と冗談で理髪の受付に来るなど働く者の
明るさを失ってはいなかった。

全体の印象は当事者の方々が「若い」ということであった。過半数を超える人が45歳以下に見えた。そして身なりがきれ
いだということ。この二つ は私の差別意識からくる偏見かもしれないが、毎日退勤のため歩いている山谷地区の人たち
とは印象が違っていた。それだけ今回の「派遣切り」の 深刻さを感じた。
今回の取り組みは行政を動かす「大成果」だった。日比谷派遣村実行委員会に敬意を表すと同時にやれば動くという事
に勇気をもらった。
  自分もボランティアに参加させてもらって「爽快」な気持ちになった。しかしそれは勘違いだ。「上から目線」だということ
もあるが、この事態を 引き起こしたのは膨大な内部留保を抱えながら「百年に一度の金融危機」をいいことに「派遣切り」「期間工切り」を行った資本だということを忘 れてはいけないからだ。そしてそれを合法化させた政府や政治の責任も忘れてはいけないと思った。
この3月には契約切れの労働者が数十万単位も出るという。人間である労働者をモノとして、コストしか考えない資本を許してはいけない。

(部落解放同盟練馬支部&練馬人権センター:堀) 2009年1月20日発行『ねりまユニオン』78号より