◇ 仕組まれた? 23区初の「事業仕分け」!

 練馬区は828日・29日の2日間、「区民の視点からの事務事業の見直し」を公開で開催しました。

23区初の事業仕分け」という事もあって新聞各紙をはじめ、多くのマスコミが取り上げました。しかし、論調は当局が「期待したほどではなかった」のではないでしょうか?

経営改革担当課の説明では、「目的は外部の意見を取り入れることで、効率的で質が良い行政サービスに近づけること。税金の無駄遣い・削減ありきの政府の事業仕分けとは似て非なるもの」という事ですから、廃止とされた事業が少ないから「低調だった」というのは言いすぎです。むしろ警戒すべきは、「新自由主義政策」=委託化・民営化絶対視の推進であり、「役所の仕事は無駄」という決め付けが基本にあるのではないか?

単純に言えば、「公務員バッシング」が底流にあって“公開”で“外部評価者”により「事業仕分け」が演出されたのではないかという事です。

◇ 「対象事業」はどう選定されたのか?

新聞報道でも、「必要な行政サービスと不必要なサービスを区民の前で洗い出す」(産経新聞)としていますがそもそも今回対象とされた事業が、どのように選ばれたのかは定かではありません。

練馬区では行政評価として、約900の事務事業評価と78の施策評価が行われています。また、本年3月には「平成21年度行政評価に関する提言」も受けています。区が実施した行政評価について、第三者機関である練馬区行政評価委員会から提言を受けたわけです。そして今回の「事業仕分け」で、20目が、「検討項目」とされ、38事業が対象とされました。

健康福祉分野環境街づくり分野教育行政分野区民生活分野の4つに分けて、それぞれ
5つの検討項目が設定されたわけです。

◇ 「委託化で経費削減を」とあっけない結論

健康福祉分野では、「学童保育サービスの充実」が第一番目にあげられました。現在既存学童ク
ラブの委託化提案が、労働組合の交渉の遡上にある状況下での事です。

案の定、「学童保育サービスの充実」という検討項目に関わる「学童クラブ維持運営事務」「放課
後児童
等の広場(民間学童保育)事務」「学童クラブ室等建設事務」「放課後子どもプラン運営推
進事務」という4つの対象事業について合わせてわずか55分間
で論議するという時間的な制約もあ
り、「保育のサービスは質が保たれるのならば経費削減の観点から委託化を」との、あっけない結
論でした(参加者の感想)。 
* 参考資料は2面に掲載
現在、学童クラブの一番の課題は、「待機児をどう解消するのか」という事です。委託化推進で待
機児問題が解消されるわけではありません。
資料でも委託学童クラブが安くできるのは「人件費」
による事が明らかです。「官製ワーキングプア」は全く問題にされていません。人件費にしわ寄せ
がいく厳しい労働条件のため、あってはならない重大事故が福祉関係の委託施設で、相次いで起こ
っている事実は、「練馬ではまだ無いから大丈夫」と楽観できるものではありません。
構造的な
問題なのですから。(編集部)

(『ねりまユニオン』第88号 2010年10月1日より)